50代女性(初回来院、2017年春)
主訴:
下半身(お腹~足先)のむくみ、しびれ
常に下半身やお腹周りに浮腫のようにむくみが出る。手足の感覚が悪くしびれる。カラ咳がよく出る。などの症状がある
現病歴:
多発性骨髄腫、糖尿病傾向、心不全傾向など多数
月1回抗がん剤使用
所見:
右下肢に圧痛、下肢のテストでは可動域自体には大きな異常はないがSLRで特に膝~足首にかけての違和感が増大する
東洋医学的所見:
脾心腎の陽虚、夢分流の左脾募・胃土に邪右腎相火(虚)
施術:
初回
心腎の陽気を高めるために右太渓、左陽池
2回目
前回から2週間経つがむくみは出ていない。公孫と太淵に鍼。3日後に発熱し排便が頻回ある。動悸のように心臓が動いている感覚があるがしんどさは無くむしろ気持ちが良い感覚とのこと。
3回目以降から打鍼も絡めていく。月に2回程のペースを維持。この頃には主訴のむくみ、しびれは無くなっている。感覚が悪い感じはまだ残る。
7回目
(初回から2ヶ月後)以降→血液検査などは特別変化していないが、不調を感じることの方が少ない。右公孫と太渓、打鍼をメインに治療
12回目
(初回から5カ月過ぎ)以降→抗がん剤の副作用で出ていたダルさ・発熱等も出なくなっている。
もともと血液検査では免疫(IgEなど)・BUN(心不全兆候)・HbA1c(糖尿)の数値が異常値であり、心エコーにも異常がみられていたが、この頃には全て正常値もしくは「ほとんど気にしなくていい」くらいの異常値内に納まる。
治療は陽気を高めつつ、その時の気になる筋肉の張りや可動域のバランスを取って行くようにしながら、無理ない範囲での筋トレを指導することに変更していく。
栄養指導として「甘いもの」の排除、天然塩の積極的摂取、極力添加物の多い食品をやめる
などを指導
抗がん剤は2か月に1回ペースだが、やめる方向で調整してもらうよう伝える(抗がん剤をしていない期間は疲れ以外の気になるほどの症状は出ていない。)